デジャヴ [教室の出来事]
僕が小学生だった頃。
よく買い物に行く近所のお店は、70歳を過ぎた(と思われる)おばあちゃんが切り盛りをしていました。
ある日、いつものようにその店に行き、お菓子やら文房具屋らを買いました。
支払う段になり、お財布からお金を取り出す用意をしていると、おばあちゃんはニヤリと笑みを浮かべ、袂から何かを取り出しました。
あっ、それはっ・・・
当時出回り始めた電卓でした。
電卓ですよ。
で・ん・た・く
DENTAKU
電子卓上計算機 ですよ!
なにしろ電子ですからね。
すごそうでしょ?
それが卓上に乗るんですよ。
もう、ビックリ!!!
ドキドキですぅ~
お、落ち着け、小学生だった頃のセンセー (^^)
電卓、それは複雑な計算も間違いなくこなしてくれる、計算が苦手な小学生には夢のような機械。
1÷3×3
と計算すると、なぜか
0.99999999・・・
になってしまうというお茶目な一面もありましたが、それでも当時の僕たち子供にとっては十分に魅惑的な機械でした。
お店のおばあちゃんは、その夢の機械を取り出したのです。
そして、僕の差し出したお菓子と文房具の値段を電卓に打ち込み始めました。
答えはすぐに出ました。
さすが、電卓様。
その電卓様の出した答えに逆らうことなどできません。
潔く、その金額を支払おうと財布からお金を出しかけたのですが・・・
目の前では、なんとっ
お、おばあちゃんが
ソロバンで検算しているではないですかっ
目をパチクリさせる僕の前で
パチパチッ
と小気味よくソロバンをはじいたお店のおばあちゃんは、満足そうな笑みを浮かべ
よし、合ってるね
と、電卓にお褒めの言葉を投げかけていましたっけ
さて、先日の授業にて。
エクセルを学習中の生徒さん。
いよいよ関数の単元に入りました。
今日は「売上表」を作成し「SUM(サム)関数」を使って合計金額を求めます。
テキストの手順通りに操作した結果、見事に合計金額が求められました。
めでたしめでたし・・・と思って見ていたのですが、ご本人はまだ納得していないようなお顔をされています。
それからおもむろに、こうご質問されました。
「センセー、これ、合ってるかどうか、どうやって検算するの?」
け、検算ですかっ?
考えたこともなかった。
えーっと、電卓を使うとか?
ん~?
昔もこんな場面に遭遇したことがあるような・・・(^^)
で結局、得意の暗算で答えが正しいことを確かめていらっしゃいました。
さすがです。
それで・・・
納得できましたか? チヨコさん
それにしても、パソコンの信用度もまだまだですね